薬とグレープフルーツ　永遠になくならない質問

2023年6月9日 2023年6月4日

はじめに

「薬のんでたらグレープフルーツジュースのめないんですよね？」

ほぼ毎回聞かれるこの質問。答えは

「飲んでいる薬によります」

全部だめなわけじゃないんですよ。

そしてここではなんでだめな薬があるのか、一緒にのんでしまうとどうなるのか、どのくらいの量がだめでどのくらいの間隔をあければいいのか詳しく解説していきたいと思います。

薬は一般的に腸管で吸収→体内で作用→肝臓で酵素により代謝、または腎臓で排泄されます。

グレープフルーツは肝臓での酵素の代謝を抑えてしまうので薬の効果が強くでてしまう可能性があります。

具体的にはグレープフルーツに含まれているフラノクマリン類という成分が肝臓の酵素チトクロームP450を抑制する。

この酵素の量は個人差が結構あります。

なのでジュースを飲んだ日だけではなく２−３日続く場合もあるといわれています。

肝臓の酵素で代謝されるもの。

具体的な薬物は一番有名なものだと

成分名アムロジピン、フェロジピンなどのCa拮抗薬といわれている高血圧の薬

成分名シンバスタチンなどの高脂血症薬

成分名シクロスポリンなど免疫抑制薬

答えはグレープフルーツの果肉は酵素阻害のものが含まれているため避けた方がいいです。

また別の柑橘類はこれもまたものによります。

調べてみるとかなり文献によりけりですが、ほぼみんなありそうです。

しかし、やはり味がグレープフルーツに似ているものや品種改良でグレープフルーツを掛け合わしてあるものが同等の注意を要する必要があると思います。

その他のものはあるはあるが、グレープフルーツよりかは強くないという印象です。

前述でもお話しした通り、肝臓の代謝酵素は個人差がとてもあるので、食べてから３０分でOKの人もいれば２−３日だめな方もいます。

調べる方法は個人レベルではまず無理なので、基本的には対象薬を飲んでいる場合は避ける方がいいでしょう。

どうしても飲みたい、食べたい方がいれば、薬自体を違うものに変えてもらうことも可能です。

※効果によりますが、高血圧だったらCa拮抗薬→ARBなど

まずは相談ですね。

その場合は必ず薬剤師に確認しましょう！

薬局で薬をもらう時に薬の説明書もついていると思いますが、注意が必要であればそこにも記載されています。

医師にも相談と書きたいですが、ほぼわからないと思います！

薬剤師であれば簡単に調べられるし、ある程度覚えています。

この記事を書いた人

現在3人の子育てをしながら病院薬剤師として働いている。日々新しい情報が来る中で自分の健忘録として。薬剤師としてのアドバイスやよくある相談などブログで共有できたらいいなと思ってます。