はじめに
今回の記事も薬剤師、医師などの医療従事者向けになります。
CP換算って何?
統合失調症の治療薬(抗精神病薬)の薬の量を計算するための方法。
具体的には、クロルプロマジン100mgと抗精神病効果が等しくなる各薬剤の用量のことです。
それらを総合して、1日の抗精神病薬の量が適正かどうか、目安を知るためのものです。
病院では持参薬から当院採用薬へ切り替える際も参考にします。
なぜ必要なの?
過量投与を防ぐためです。
統合失調症の治療薬は種類がたくさんあります。
一つの薬は用量を超えてなくても、様々な種類の抗精神病薬を服用していると気づいたら高用量になっている場合があるからです。
CP換算 サイト紹介
非営利団体コンボさんが、精神障害をもつ人たちが主体的に生きて行くことができる社会のしくみをつくりたいというのを目的に善意で立ち上げているサイトです。
換算は稲垣・稲田式を採用
医師以外の医療従事者も利用できる無料アプリです。
ガイドラインからレジメンまで治療に必要な情報がぎゅっとつまっています!
こちらも換算は稲垣・稲田式を採用
CP換算 スコア表
1000mg
大量投与の可能性が高い
600mg-1000mg
至適用量を少し超えている可能性あり
副作用の錐体外路症状や高プロラクチン血症がないか確認。
必要時ゆっくりと減薬する。
300mg-600mg
適正量
例題
①
オランザピン5 mg 2 錠 1×夕
フルニトラゼパム 2 mg 1 錠 1×寝る前
ブロチゾラム0.25mg 1 錠 1×寝る前
まずはここから換算が必要なものをさがします。ここではMARTAであるオランザピンのみが対象です
1回2錠なのでオランザピンとして1日用量は10mgを換算表に代入
オランザピン5 mg 2 錠 1×夕→CP換算400mg
フルニトラゼパム 2 mg 1 錠 1×寝る前
ブロチゾラム0.25mg 1 錠 1×寝る前
CP換算400mgなので妥当と考えます。
これをみて分かる通りもし3種類ほど統合失調症の薬が処方されていたらかるく1000mgを超えることがわかります。
あとは換算には関与されませんが、眠剤も複数併用されているケースがあるので持ち越し効果がないか、日中傾眠傾向にないかきちんと確認してから処方するのがいいでしょう。
②
リスペリドン2mg 1錠 1×夕
ハロペリドール0.75mg 1錠 1×寝る前
クロルプロマジン 25mg 8錠 2×朝夕
換算してみると
リスペリドン2mg 1錠 1×夕→CP換算200mg
ハロペリドール0.75mg 1錠 1×寝る前→CP換算37.5mg
クロルプロマジン 25mg 8錠 2×朝夕→CP換算200mg
total437.5mg。そう以外とCP換算換算上は適正量になっています。
細かいことをいうと通常は第1世代と第2世代を一緒に処方することはあまりオススメはされませんが、結構出されていて慢性的にのんでいる方もいらっしゃいます。
まとめ
いかがでしたか?
怪しいなと思っても意外と大丈夫だったり、1種類だから大丈夫だろと思ったら以外とぎりぎりで追加する時注意を要したり。
処方例がわりと探せなかったので、症例があれば随時追加していきたいと思います。