もくじ
はじめに
今回は薬剤師や医師向けの記事になります。
既存のカリウム製剤から他のカリウム製剤に切り替える際、mEqで換算している方。。。
その方法違います!
製剤によって吸収率や組織移行性が違うので注意しましょう。
正解は添付文章上の常用量対比で計算します。
というのも換算式や臨床データもないのでこれしか現在は方法がありません。
内服
冒頭でも説明したとおり常用量対比で計算します。
今回は塩化カリウムとグルコン酸カリウムをアスパラKに換算する場合を紹介します。
※実際臨床ではアスパラKに換算する場合が多いので
アスパラカリウム錠300mg(1錠1.8mEq)、50%散剤(1g2.9mEq)
用法・用量 | 1日0.9~2.7g(錠:3~9錠、散:1.8~5.4g)を分割経口投与 |
常用量の1日K量 | 錠 5.4~16.2mEq/日/散 5.2~15.7mEq/日 |
塩化カリウム徐放錠600mg(1錠8mEq)
用法・用量 | 1回2錠を1日2回、食後経口投与 |
常用量の1日K量 | 32mEq/日 |
塩化K:アスパラK | 1:0.5 |
アスパラカリウムへの換算式 | 塩化KのmEq量×0.5=アスパラKのmEq量 |
Q:塩化カリウム錠1日2T服用している方がアスパラK散に切り替える場合
A:塩化カリウム1日2T→1200mg→16mEq
16mEq×0.5=8mEq
1g:2.9mEq=xg:8mEq
xg≒2.76g
アスパラカリウム散として1日2.76g投与する
グルコン酸カリウム細粒(1g4mEq)
用法・用量 | 1回カリウム10mEq相当量を1日3~4回経口投与 |
常用量の1日K量 | 30~40mEq/日 |
塩化K:アスパラK | 1:0.4 |
アスパラカリウムへの換算式 | グルコン酸KのmEq量×0.4=アスパラKのmEq量 |
Q:グルコン酸カリウム細粒を1日2g服用している方がアスパラK散に切り替える場合
A:グルコン酸カリウム1日2g→8mEq
8mEq×0.4=3.2mEq
1g:2.9mEq=xg:3.2mEq
xg≒1.1g
アスパラカリウム散として1日1.1g投与する
注射
注射の場合はほぼICUなどのユニットでモニター管理のため換算は用いません。
しかしいくつか注意事項はあります。
必ず希釈して使用すること(カリウムイオン濃度 40mEq/L 以下)→500ml の輸液※あたり 20mEq まで
投与速度はカリウムイオンとして 20mEq/hr を超えないこと
カリウムイオンとしての投与量は 1 日 100mEq を超えないこと
KCL20mEq/本
無機カリウム製剤。CLも含まれるため、代謝性アルカローシスなどの血中のK補正に最適。
アスパラ酸カリウム10mEq/本
有機カリウム製剤。Kが代謝によってHCO3に変換されるためアシドーシスの補正に最適。
注射以外にも散剤、錠剤もあるので用途に合わせてつかいやすい
まとめ
①まずはmEqにする
②変更する製剤の常用量対比を計算し、変更するmEqを算出
③変更したmEqから1日容量を算出する
言葉にすると難しくなってしまったので、まずは例題をやってみましょう!