はじめに
新型コロナウイルス猛威の中、インフルエンザの流行はここ2-3年皆無に等しい年が続きました。
元に私が働いている病院でもあのタミフルが期限切れになり廃棄する現象が起きたのです。
ましてやここ2-3年で入職してきた職員はタミフルやリレンザを調剤した経験もありません。
今季は新型コロナウイルスの患者も減少傾向にあり、流行るのではないかと危惧されています。
流行らないに越したことはありませんが、ここで今一度おさらいしておきましょう。
注意事項
インフルエンザは発症から24〜48時間がウイルス排泄のピーク。
検査はこの間にやることが推奨。
抗インフルエンザ治療薬は症状発現から 48時間以内投与が基本です。
点滴
1回で終わり〜ラピアクタ®〜
成分 | ペラミビル |
用法用量 | 300mgを 15分以上かけて単回点滴静注 |
備考 | 最大600mgまで増量可、小児使用可、タミフル®に比べ非劣勢報告あり |
内服
1回で終わり〜ゾフルーザ®〜
成分 | バロキサビルマルボキシル |
用法用量 | ・12歳以上80kg以上:80mg ・12歳以上80kg未満:40mg ・12歳未満40kg以上: 40mg ・12歳未満20kg以上40kg未満: 20mg ・12歳未満10kg以上20kg未満:10mg |
備考 | 年齢と体重で投与量が分かれる、ウイルス感受性が低い報告がある |
5日間服用〜タミフル®〜
成分 | オセルタミビル |
用法用量 | ・体重37.5kg以上の小児成人1回75mgを1日2回、5日間経口投与 ・幼小児の場合:1回量2mg/kg |
備考 | ドライシロップ等もあり、最もエビデンスある |
一時期、異常行動で思春期の子供には使用不可になったがその後の調査で、異常行動はインフルエンザによるものとわかり、現在では使用できるようになったよ
吸入
1回で終わり〜イナビル®〜
成分 | ラニナミビルオクタン酸エステル |
用法用量 | ・成人及び10歳以上の小児:40mg(2容器、計4ヵ所)を単回吸入投与する ・10歳未満の小児:20mg(1容器、計2ヵ所)を単回吸入投与する |
備考 | 使用できるのは日本のみ、タミフル®に比べ非劣勢報告あり |
5日間吸入〜リレンザ®〜
成分 | ザナミビル |
用法用量 | 1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)、1日2回、5日間、専用の吸入器を用いて吸入する |
備考 | エビデンス高いが使用はタミフル®に劣る、近年1回製剤も出てきたことから使用頻度は減少 |
予防
※予防は保険適応外なので基本自費になります
- ゾフルーザ®:基本治療と同じだが予防の場合は12歳未満20kg未満の小児には使えない
- タミフル® :1回75mgを1日1回、7~10日間経口投与
- イナビル®:治療と同じ、又は治療の用量を2日に分けても可能
- リレンザ®:1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日1回、10日間吸入
まとめ
- タミフルに勝るものなし
- 1回製剤は便利だが、再感染やタミフル®より非劣勢が報告されているため、タミフル®使用不可のときに検討するべき